豆知識

●熨斗(のし)の由来・・・

「のし」(のしあわび)は日本古来のもので鎌倉時代に始まります。
即ち武士の出陣・凱旋の時を祝って山海の珍味を持ってもてなしました。
その代表品が「のしあわび」であり、これは、保存がきくもので、お祝い・もてなし・贈答の時の最適品として広く一般に普及しました。
これが後年お祝いの金品や贈答の全品に添える儀礼となり、また、現物の「のしあわび」にかわって、それをあしらった紙工品が生まれました。
これが「のし」であり、明治時代以後、印刷技術の進歩により紙に直接印刷されるようになり、現代の、のし紙・のし袋が生まれたわけです。
従って「のし」はあくまでお祝いと贈答を意味するものであり、不祝儀・御不幸・御見舞には「のし」をつけません。
また、のし自体がもともと生物(のしあわび)ですので、贈物が魚・鳥であるとき、鰹節がついている時は「のし」をつけません。

●水引の由来・・・

水引は飛鳥時代の推古天皇の時代(六○四)に遣隋使小野妹子が帰朝したおり、隋からの賜り物が紅白に染めた麻で結ばれていました。
この時から宮中への献上品は全て紅白の麻で結ぶ習慣となり、この麻が“くれない”
と呼ばれ、この風習が次第に民間に伝え広がって今日のように進物はもちろん、婚礼や仏事にまで用いられるようになったのです。
また、一説には「水引」の起源は室町時代、連歌師が懐紙を綴るのに作られたのがその始まりとみられている「こより」を紅・黄・青に染めた様子が、紅葉した木の葉が水に流れるようだということから「水引」と呼ばれるようになったと言われています。
また、こよりに糊水を引いたところからこの名が付いたとも言われています。
元結(もとゆい)に使われる一方、その形がしめ縄に似ているところから、神聖、清浄の意味をもち、祝儀、不祝儀の包みなどにかけられるようになりました。

●水引の結び方の意味・・・

結婚の慶事には紅白・金銀の水引を用い、十本水引を結び切るのが基本です。
結婚は一生で最大のお祝いです。水引の結び・飾りも十本結びを基本にし、
鶴・亀・松・竹・梅の豪華なのし袋をつかいます。
一般の慶事は全て、紅白・金銀水引の五本を花結びに結ぶのが基本です。
慶事は「何度もあるように」という意味です。
豪華さを出すため、七本・十本の花結びを使うこともあります。
弔事は黒白・銀・黄白の水引を用い「ふたたびないように」と結び切りにします。
五本水引が基本ですが、豪華さを出すため七本・十本の結び切りも使います。
仏教では四十九日を境に霊が仏になるとされていますので四十九日法要前までは「御霊前」、法要後は「御仏前」を使用するのが一般的です。